透水性コンクリート「ドライテック」にはこんなデメリットが!
駐車スペースやアプローチ、犬走りなど、従来コンクリートが使われてきた箇所に、かわりに使われるようになりつつあるのが「ドライテック」です。ドライテックとは浸水性のあるコンクリートのこと。水が染み込んでしまうため、水溜りができないなどのメリットがありますが、施工前にはデメリットも知ることが必要でしょう。
ドライテックと一般的なコンクリートの違い
ドライテックとは浸水性を持たせたコンクリートのこと。「長岡生コンクリート」の商標名で、ポーラスコンクリートの一種です。小さな穴が数多く空いており、表面に水が溜まらないことが特徴です。
混合する骨材を加減することで、空いている穴の大きさを変えることができるので、植物を生やすことや微生物を住まわせることも可能となっており、前者は緑化コンクリート、後者は水質浄化コンクリートとして1960年ごろから用いられてきました。
注目されるきっかけはゲリラ豪雨?
ドライテックの使用が増えているといいますが、きっかけは近年のゲリラ豪雨だとか。従来のコンクリートなら排水が間に合わず水溜りができてしまいますが、ドライテックなら雨水が染み込んで水溜りができないのです。この性質を利用して、駐車場など公共性の高い箇所や、高速道路の舗装にも使われるようになりました。そして一般家庭にも次第に広がりつつあるのです。
ドライテックにはデメリットもある
雨水が浸透するということは、コンクリートのように施工時に排水用の傾斜をつけたり、溝などの設備を設けたりする必要がありません。従来のアスファルト舗装のかわりに用いることができますが、見た目が白いことから目にする方の印象が軽くなる、おしゃれに見えるというメリットがあります。一方でデメリットがあるのもドライテックです。
施工してくれる業者が少ない
お庭のリフォームでドライテックを使おうと思っても、施工経験のある業者を探すのが難しいかもしれません。公共工事などでの使用はずいぶん一般的になりましたが、個人宅での利用はまだまだ少ないのです。コンクリートでは必要だったいくつかの工程をはぶくことができるうえ、施工自体はそれほど難しくないとされていますが、施工経験がない業者に任せるのは勇気が必要になるでしょう。
経年の変化が未知数
ポーラスコンクリートが1960年代に登場してから、公共工事では広く使われてきましたが、ドライテックが登場したのは15年ほど前になります。経年変化について判断を下すのに、充分な時間がたったとはいえません。ドライテックの成分はアスファルトと違って無機物のため、経年変化は起こりにくいとされていますが、実際のところはどうなのか。少しの不安が残るといえるでしょう。
コンクリートには見えない
目に見える穴が表面に空いているので、コンクリートには見えません。白いアスファルトという感じでしょうか。コンクリートの質感がお好きな方に、ドライテックを代替としてすすめるのは難しいかもしれません。
ドライテックにはこんなメリットが!
デメリットばかりお話してしまいましたが、ドライテックが一般家庭に広まりつつあるのは、もちろんメリットが大きいからです。以下に主なものを見ていきましょう。
充分な強度を持っている
通常のコンクリートが18〜21Nに対して、ドライテックは27Nという高い強度を持っています。充分な強度を持っているため、通常のコンクリートの代替として利用できます。
勾配を付ける必要がない
コンクリートと違って排水のための勾配が不要になるので、駐車スペースの活用が広がるでしょう。バーベキューやバスケットボールを楽しむこともできるでしょう。
好みの見た目にできる
白いアスファルトといった見た目のドライテックですが、好みの色に塗装できます。家とコーディネートすることも可能になります。
表面温度が上がりにくい
アスファルトと異なり、表面温度が上がりにくい特徴があるようです。家の周りに施工しても、暑さを感じるということは少なそうなので、炎天下に裸足で歩くことも可能です。
雑草の育成を抑えることができる
使用することで雑草の育成を抑えることができるため、庭に使うことでメンテナンスの手間がかかりません。砂利や玉石を敷くかわりに使うことができそうです。
コストダウンができる
通常のコンクリートを施工する際に、ひび割れ防止や補強のために必要な「メッシュ筋」が不要になります。また表面をなめらかにするために、金ゴテで仕上げる必要もないので、その分のコストダウンが狙えます。といってもメッシュ筋は1平方メートルあたり、数百円のものとなるため、ドライテック自体が高いので大幅なコストダウンは狙えないのですが。
一般家庭でも使われるようになって、日の浅いドライテックではありますが、使用するメリットは充分にある様子。魅力的な建材ということができそうです。施工してくれるところが少ないという不安要素はありますが、施工実績が豊富な業者は滋賀県内にも複数見つけることができるはず。デメリットを充分に把握したうえで、お家のリフォームついでにお庭や駐車場もドライテックでリフォームしてしまいましょう。